<オープニング> | ||
ME(1)「沈痛」 | 流離野MASA | MAI‥‥! |
影津野MAI | (汗を拭いて)まだ‥‥大丈夫よ……!! っは、はあ…(息を入れて)MASAの……た、為なら……。 | |
ドゥーイン | 強がりは、止すでマンネン。 | |
フェニットー | そうそう。正体は割れちゃってんですからねーもう。 | |
ナレーター | ドゥーインの忠告する一言に思わず頷くフェニットー。 何故ならば‥‥。 | |
流離野MASA | MAI、尚も‥‥最期まで闘うというのか‥‥! | |
影津野MAI | 最期ってどういうことよ!? | |
フラウアー | なーにをゴチャゴチャ言っているのMASA、ナビカセカタマンをやっておしまーい! | |
流離野MASA | Okey−Dokey!ワルスルワクチンより波動砲を放射! | |
SE[レバーを引き付け、波動砲を浴びせていく] | ナビカセカタマン | ど、どうしたのMASA……きゃ──────────…… |
ME(2)「アイキャッチ」 | 三方洋子 | タイムボカン伝説、ぴえろ魔法史学航・史大ナビカセカタマン第13話、「シリーズ2回目!悪役のプライド」! |
<SCENE1・MASAの回想中> | ||
ME(3)「信じられない光景」 | ナレーター | なんの間違いか、MASA自身がナビカセカタマン……いや、影津野MAI本人を攻撃し始めた。 |
SE[波動砲の迎撃] |
影津野MAI | (おそるおそる見つめて)MASA……。 きゃあっ!やめてェ!! |
ナレーター | と、MASAが攻撃を仕掛ける中、彼等・インフィニトゥーの背後からある男の姿が浮かんだ。 | |
SE[ホログラム発動] | ゲキガスキー |
ふははははは……!! |
影津野MAI | (怒り震え)…ゲキガスキー……!! | |
SE[ホログラム稼動] | ゲキガスキー | ナビカセカタマンの正体は割らせてもらったぞ。やはり影津野MAIこそ、香月 舞の成長した姿であったか……。 |
<SCENE2・宋明学園の学園長室> | ||
猪尾八ッ男 | うそ、まさか舞ちゃんが。 | |
サーゴ浄 | とても信じられない事だよなぁ。 | |
三蔵法子 | なに言ってるの、それどころじゃないのよ。何としてもこの状況から脱出しないと2人ともやられちゃうじゃない。 | |
孫田空作 | だからボクが助けに行くんだ‥‥‥あ、 | |
<SCENE3・MASAの回想中> | ||
SE[波動砲命中] |
影津野MAI | 何故…何故! こんなに手の組んだ事をしてくれるのよ……きゃ! |
ゲキガスキー | 《ホログラム中で》お前だ‥‥!お前の命が欲しい……。 | |
<SCENE4・コックピット内部> | ||
ME(4)「衝撃のブリッジ」 | フェニットー | (ショックで)ぐわああん!そうか、そうだったのか、うんうん。 |
ドゥーイン | フェニやん、なにか分かったんでっか? | |
ナレーター | MASAが次々と砲撃による攻撃を仕掛けている中、フェニットーはある一枚を差し出した。 | |
ME(5)「真実を語る」 | フェニットー | (2枚目調)これを見たまえ。 |
フラウアー | これ、ゲキガスキー様に当てた誓約書じゃない。3人共に『愛の宝』を探す事を───── | |
ドゥーイン | せやせや。 | |
フェニットー | (2枚目調)我々3人が一同にゲキガスキーの命の前に会してインフィニトゥーを結成した事を思い出すはず。 そこでだ、この誓約を交わすときのこと覚えてるか? | |
フラウアー | (思い出して)……あっ………! | |
<SCENE5・3人の回想> | ||
SE[合いの手] ME(6)「インフィニトゥーのテーマ」 | ||
フェニットー | (右腕を振り回して左手をドゥーインの肩に回す) 神の残した財産の如き、天災を引き起こすほどの知識を持つ男、あ、フェニットー | |
ドゥーイン | (右足をL字に曲げて左膝を地に付けるように腰をおろし) 腕を一降りすれば、星一個軽ーくぶっ壊す破壊力自慢のワイこそドゥーイン様よ。 | |
SE[ピョンとドゥーとフェニの肩に飛び乗る] | フラウアー | (右手を後首に回して空を見つめつつ) 2人を尻に敷きつつ、悩殺ボディーで歴史中の者どもを釘付けよ。 それがこのフラウアー様さ。 |
インフィニトゥー | What We Said、最強三悪インフィニトゥー。歴史のこの場へ、あ、いざ立てん! | |
ME(6)「〜決めポーズ・夢幻印」 | ||
ME(7)「ゲキガスキーのテーマ」 | ゲキガスキー | (口元を伏して)ふっ、決まったな。 さぁ揃いし皆の者よ、直【オモテ】を……見るのであろう? |
フラウアー | (一礼して)…はっ! | |
フェニットー | ははあ! ……って、ほら、ドゥーインも何時までもそうして顔を下げてんじゃないわよ、もう。 | |
ゲキガスキー | (口元をミマリとして)‥‥ふふっ、まあ良い。余こそは今こそ其方【ソナタ】らを迎えいるほどの気力があるというものだ………! | |
ナレーター | …ここは3人の回想。今、三人を眼前として杖を提げているゲキガスキーは如何にも凄まじい威圧を放っていた。 | |
ドゥーイン | す、すまないですねんゲキガスキー様。 | |
ゲキガスキー | …良いではないか。其方らの体はこれより余が探して参るのだからな。其の程度の事などはな。 | |
ドゥーイン | (敬礼)ははっ、有り難き幸せに存じます。 | |
SE[強力な睨み] |
ゲキガスキー | …して、側近の者により体を仮に与えているのだからな。それを忘れるでないぞ……! (一瞬眼が輝きを放つ) |
SE[一瞬、3人は飛ばされかける] | フラウアー | うわっぷ、なんて風圧! |
ドゥーイン | (目を閉じかけて)触らぬ神に祟りなしでんがな! | |
フェニットー | せやせや…って、それ私の台詞よドゥーちゃん。 | |
ゲキガスキー | それでだが…。 何故、余が其方らオジャママンの魂を仮の体に植え付けたか分かるな! | |
フラウアー | ええ、ええ分かりますとも。 | |
フェニットー | それは、歴史そのものをハッキングして書き換えることなんですよ。ボクちゃんたちの都合の良い様にね。 これも本来こそトンマノマント様の言いつけ…いや、ゲキガスキー様の言いつけだったはず。 | |
ゲキガスキー | そのためにだ。『愛の宝』を探し出すのだ……。 『愛の宝』が歴史の流れのウィークポイントになるはずだからな……。 | |
フラウアー | 愛の─── | |
ドゥーイン | ────宝!? | |
ゲキガスキー | 愛の宝とはな、本来は、イタダキマンたちが探すべきだったものだ。 言わば、お釈迦様がばら撒いたと言われる『オシャカパズル』に封じられているはずだったが─── | |
ME(8)「コルドーのテーマ」 | コンコルドー | ───そのとおりじゃぞえ。 何の間違いか、パズルをあちこちにばら撒いたはずが、時空軸を弾み始めるほどのエネルギーを手にしたんじゃ。 それも、お主たちのアンドロメダマ号と衝突してなければあれほどのエネルギーを秘める事は無かったのじゃぞ……… |
フラウアー | あのーー貴方様、どこかであったことが | |
フェニットー | 有る様な、無い様な、変な錯覚を覚えてるわよ。 | |
ゲキガスキー | それはそうだろうな。其方らの体は最新型のサイキックロボット。 それもタイムリース社から奪ってきた時より、更に改良してパワーアップしておるのだろうからな。 | |
コンコルドー | そのゲキガスキー様のいう通り。きゃつら、ムンムンたちと付き合ったことを思い出しながら加工したのじゃぞ。 | |
フラウアー | なるほどそれで。 | |
フェニットー | となると、クリーン悪トリオも継いでいたといっても過言じゃないわけか。 ふっふ、(笑って)やはり俺たち3人は離れられない運命なのか。 | |
SE[炎が巻き上がる] |
ドゥーイン | そしてその目的はただ一つ。 名ばかりのヒーローを完璧に敗北させることなんや! それも、二度と立ち上がれないまでに完膚無く! |
フラウアー | そうだよ!そうだよねえ! | |
ゲキガスキー | そうだ。その心構えを忘れるな…‥! | |
<SCENE6・ワルスルワクチン、コックピット部> | ||
ドゥーイン | せや、我々3人の本来の目的こそ、そこにあり! | |
フェニットー | それだけじゃありません。最後の『愛の宝』が今、眼前にあるんです。 ゲキガスキーの言おうとしていたその台詞こそ、奪い取ろうとしている命なんですよ。 | |
ドゥーイン | けどなフェニやん、ワイ、武者震いしてきたでマンネン。 | |
フラウアー | え、ドゥーインもかい。あたしもなんだよ。 | |
ME(9)「インフィニトゥーの意地」 | ||
SE[膝を揺らしつつ] | フェニットー | もろい、脆すぎますよお二人さん方。俺たちは今、ここで何してらっしゃるんですか。 闘ってるんです。ゲキガスキー直接の協力で、MASAという人質を得られてるんです。 ここで我々の意地を見せてやるんです。 |
フラウアー | ……そういう割には、フェニットーも膝をガクガクさせてるわよ。あーたも怖いんでしょう。 | |
<SCENE7・MASAの回想中> | ||
影津野MAI | (構えて)…?なかなか攻撃してこないわね。 でも、こっちもプロテクターを外され変身が解けているまま。 二たび、変身をしないと……ア・オ・ヤラ・マ・キデ・シャ・グル! | |
ナレーター | …が、唱えつつ手を掲げても、ハートブロムは出現しなかった! | |
SE[ゲキガスキーのホログラムが眼前に現れる] | ||
ゲキガスキー | (冷静にあざ笑い)…無駄なことをするのだな。 | |
影津野MAI | ゲキガスキー!(汗ジトで)─────い、いつの間に…… | |
ゲキガスキー | お前の今の魔法力など封じるまでもない。 ましてや、MASAの意識内で魔法が使えるなどないのだがな。 | |
影津野MAI | …なんですって!? | |
<SCENE8・学園長室> | ||
ME(10)「緊急事態」 | 孫田空作 | なんてことだよ。じゃあ、初めから変身が解けることになってたのか。 |
学園長 | (首をかしげて)そのようだな。 | |
サーゴ浄 | くそっ……。手も足も出せないってことか。 | |
香月久美 | うん、MASAの以前の記憶を書き換えられた時点で気付くべきだったかも。 | |
学園長 | それはどう言うことだ。 | |
香月久美 | いい、よく考えて。 MASAの記憶へハッキングしたときにMASAは苦痛の叫びをあげて倒れかけたわよね。それはつまりパラレルの世界ではなく、時間の概念で繋がっている世界だから。 それをあのゲキガスキーによって書き換えられているということは、今のMASAもゲキガスキーの手により書き換えられたまま進行しているはず…。そしてMASAとの関わりが無くなったら、その時点でMASAと共有していたものは自然消滅しちゃうの。 | |
三蔵法子 | 流石は久美ちゃんね。人との係わり合いにも影響するって事か…。 | |
<SCENE9・MASAの回想中> | ||
ME(11)「ナビカセカタマン、敗北への序曲」 | ||
ゲキガスキー | では、ナビカセカタマンの最後の姿を生贄と変えてやろう。 MASAの体を借りてな………!! | |
影津野MAI | 借りる…? | |
SE[ワルスルワクチンの砲撃] | ゲキガスキー | ワルスル・バイオ・ボンバーだ!! |
SE[地へ叩き付けられる] | 影津野MAI | ぐぁ……っ!(声を吐き込む) |
ドゥーイン | まだまだ、反撃はこれからでっせ。ワルスル・バーチカル・レーザー、ドゥワッと! | |
ナレーター | やばい、これはやばいぞ。 放射状に拡がったレーザーが、MAIの体を包み込むように命中していくところだ−−−… | |
SE[レーザーを弾き返す] | 影津野MAI | (一瞬目をつぶっていたが)……あ、あれ? |
カイシンガー | No.628ビーム、散布保護! あぶない・ところでした! | |
<SCENE10・カイシンガー内部> | ||
三方洋子 | ふぅ、あぶないいけない、お化粧マジック! 今のが遅れていたらどうなっていたことか。 | |
ゲキガスキー | (ホログラム化されて)…よ…けいな事をするな……!! | |
三方洋子 | …ひっ!? (一瞬だけ後ろに撚れかかる) | |
ナレーター | なんとも恐ろしい奴だ。攻撃相手のメカ内部に侵入する敵など今までになかった事態であった。 | |
SE[戸から降りる] | ブタオリロ | その戸───降りッ! |
SE[思わずコケる] | 三方洋子 | コケッ! |
<SCENE11・ワルスルワクチン内部> | ||
流離野MASA | おおっ、操縦している奴がコケたようだな。 | |
フラウアー | 本当ですかゲキガスキー様。 | |
フェニットー | 今の隙にナビカセカタマンへ攻撃を加える。 では「今回のナノ名のマシーン」用レバー…レバッとな! | |
<SCENE12・MASAの回想内部> | ||
影津野MAI | な…なに!?(食い入るように見て)この超小型のマシーンは…… | |
フェニットー | (スピーカ越し)のわーーーははははっはっはは! これぞ、10のマイナス九乗というナノ級の大きさを持った最高級の技だ。これは勿論、10の九乗だけのマシーンが同じ場に揃えば1メートルの大きさに見えるというわけだ。 まさにビックリドッキリなメカといっても過言ではあるまい。 | |
影津野MAI | な、何ですって! | |
ME(12)「ナノ攻撃、地獄絵図」 | ||
ナレーター | うわーーこりゃまたビックリですね。 解説している余裕もないがあえて緊急解説しよう。今回のナノ名のマシーンはというと、バード‥‥つまり鳥ですね。 | |
SE[鳥が一斉に突っついてくる] | 影津野MAI | …い、痛い。いたたたッ! (悲痛)痛いい、避けきれなーーい、いやあぁ! |
SE[突っつきまくる(以下26行ほど)] | バード1 | バード…… |
バード2 | バド! | |
バード1 | 続けバード | |
バード2 | 突っつけバド! | |
バード1 | バード! | |
バード2 | バド! | |
ナレーター | しかも、しかもだ! プロテクターと着ているもの全てを先に溶かされてしまった為、今の舞には防ぎようがないのだ。 | |
<SCENE13・ワルスルワクチン内部> | ||
ME(12)「(ヴォリューム下がったまま続いている)」 | ||
フェニットー | ぐふふふふ。そうよそうなのよ。さぁ早く防ぎきってみなさいよカイシンガーちゃん! | |
フラウアー | ところであのぅゲキガスキー様、その声なんとかなりません? | |
流離野MASA | …紛らわしいだろうが、余はこの支配した体の声質も頂いている。 其れ故に、頭脳を支配しても、体に染み付かれた声だけは何ともならん。 | |
ドゥーイン | そうですネン、岩手県の永島篤くん! | |
フェニットー | じゃあちょっと早いけど、トドメポイントいきまひょか… | |
ドゥーイン | いんやその前に確認するネン。 | |
フラウアー | どうしてさ。 | |
ドゥーイン | あんなフラウアー様? 今の今まで、負けていたのは何故だと思います? これで完璧だと勘違いしたまま攻撃したのを跳ね返され、自爆したケースがこの十数年間の今までに250回近くあるんですよ。 | |
フラウアー | (驚いて)そ、それ本当なのかい! | |
流離野MASA | …ああ。紛れもなくな。きらめきマン以外の全DVDを見返して研究した結果、その位に昇っていた。 | |
フェニットー | そしてその行動にも報われ、名ばかりのヒーローの大弱点も見破った。 その弱点を突けば、必ず勝てる!倒せる! ……さらに何よりも、十数年の恨みと怨念、執念が報われて悪と正義の大逆転ゲキを目の前にする事が出来る! これがなんと嬉しいことだと言えましょうかフラウアー様あああ、あーーああああ‥‥(大泣) | |
フラウアー | ううう…(涙を流して)…そうだ、そうだねえ。 今の今まで三悪のファンを続けてくれた人たちに、感謝、感謝、感謝の嵐だよ。 大分県佐伯市の山原いずみちゃん、応援のレター有り難うね。 | |
ME(12)「(急停止)」 | ||
ドゥーイン | ところで、大弱点って何ですネンコスイネン! | |
SE[コケ回る] | ドゥーイン以外3人 | ギャロローン、ギャロローーン、ギャロローーーッンッ! |
SE[ヤマタノオロカブ出現] SE[頭3がオ世話ブタに変化] | ||
SE[ヤマタノオロカブが収納される] |
オ世話ブタ | 余計ナセリフーーーイウナッ! |
フェニットー | もうドゥワちゃんてば。じゃあ教えましょう。 奴等は殆ど、三悪以外には免疫がないってことです。 つまり、私たちが闘えば確実に奴等に負けるのは当たり前ですが、オタスケマンのラスト二回でオタスケマンを窮地に追い込んだり、イッパツマンでシリーズ初の打破をしたのはどういう状況でしたか? どちらも私ら三悪は直接関わっていないでしょう。 実はあの後、コルドーさまから玉四郎の話を聞いて確信しました。あの時も、イッパツマンを窮地に追いやったのも玉四郎の存在がなくては勝てなかったこと……!! | |
ドゥーイン | なるほど。でや、今回はゲキガスキー直々の命に忠実に、寸分なく行動すれば100%勝てるって寸法ヤね。 | |
<SCENE14・学園長室> | ||
ME(13)「我らがイタダキマン」 | ナレーター | そしてついに、一同は見守るしかなかった。 もうすでに、ゲキガスキーのペースに乗せられて動いている事に他ならないのだ。 |
三蔵法子 | (声をよれよれに)もう…、もう見てられない。 | |
カンノ先生 | あんなに…MAIの皮膚が傷ついて…… | |
SE[HAQQ] | 学園長 | 先ほどから、こっちからも記憶を修復させようとしてもな‥‥。 |
SE[コンピュータの命令拒絶音] | ナレーター | 学園長がいくらHAQQ技術を駆使しようと、コントロールが出来ない。 この状況は辛すぎるのだ。 |
ダサイネン | せめて、藤沢の奴がいればなあ…。 | |
ヤンヤン | なぁにいってんのさ。ダサイネンだって、メカ操作の端くれだろ! | |
ダサイネン | そうはいってもヤンヤン様。私らは唯一、一度も時間を飛び越える技術を兼ね備えていないんですよ。 | |
トンメンタン | せやせや。あのドロンボーですら、夢の中でとはいえタイムマシンをつくり挙げて発進してまんねん。 | |
ダサイネン | それに比べたら、ボクちゃんたちなんか───── | |
サーゴ浄 | ─────あんだけ浪人してやっとの思いでオシャカ学園に入ったのに、行き成り廃校なんてとか言うんだろ。 | |
SE[焦ってキーをタイプする] | 学園長 | くそ、こんな時に限って藤沢くんたちが海外に仕事とは………。 |
猪尾八ッ男 | どうしようもないのか……!! | |
ナレーター | そのまま目を伏せるしかない一同であった…! が、全員伏せていたわけではない。諦めて見られない者と、まだ可能性を見出している者はいるのだ。 | |
<SCENE15・MASAの回想> | ||
影津野MAI | ま…だ……! | |
ナレーター | MAIは、ゆらりと肩を少しづつ上向きに上げて尚もメカに立ち向かっている。 しかし、眼の前で幻影の如きナノ名のメカが集合して卑屈な映像を描くかのように旋回しているのだ。 | |
カイシンガー | No806ビーム、反撃・開始・します! | |
SE[ビーム炸裂] | 流離野MASA | …No800系の技は分子崩壊…これで防ぐ! |
SE[ビームを弾き返す] | ナレーター | MASAに完全に乗り移ったゲキガスキー。 そのゲキガスキーがMASAの本来持っていた記憶をふんだんに使いこなしている様は凄まじいものだ。 |
影津野MAI | …、…ビブラー…ト…キャノンッッ! | |
SE[キャノン放射] | ドゥーイン | うわ、凄いでんねん。MASAの抑圧の中でこれだけのパワーをまだ秘めてるで。 |
<SCENE16・ワルスルワクチン内部> | ||
フェニットー | でもそれも終わりなの。うふ。さぁゲキガスキー様次の反撃を… | |
流離野MASA | そうだ…な。先ずはカイシンガーから葬ってやるか。 警告したにもかかわらず、MAIの命を庇ったのだからな。 | |
フラウアー | もうもう、なんて凄いお方だよ。あっちから片付けてしまえばよかったのよ。 | |
流離野MASA | では、驚愕すべき光景を見せてやろう……この体は、もともとMASAのものなのだから…な…!!! ナノ名のメカをこのワルスルワクチンに寄生させよ…。 | |
SE[レバーを降ろす] | ||
SE[ナノ名のメカがワルスルワクチンに融合する] | ||
流離野MASA | ここで、MASAのボディーを利用する……!では、『愛の宝』を奪取せよ | |
ドゥーイン | 愛の宝? | |
フラウアー | どういうことです? | |
<SCENE17・MASAの回想> | ||
ME(14)「〜 進化・予兆」 | 流離野MASA | ……そうだ……!最後の愛の宝とは……舞よ…お前の事だ………!! |
影津野MAI | ま、まさか…? | |
<SCENE18・学園長室> | ||
ME(14)「〜 (心臓の音と重なって)」 SE[激しく心臓が鼓動する] |
カンノ先生 | そんなことが…ああ……!! |
学園長 | ゲキガスキーの奴め、完全にMASAの頭脳を支配しおったか。 なんとしても元に戻さ……なければ………!今再び、HAQQを… | |
SE[激しくキーを乱打] | 速水ペルシャ | …と、止まらない……。 |
森沢 優 | しかし、あの姿は… | |
香月 明 | そんなことがあってたまるのか姉ちゃん! | |
<SCENE19・ワルスルワクチン内部> | ||
ME(14)「〜前奏・アニメの大王」 | ドゥーイン | ま、まさか、あんはん……………!! |
流離野MASA | …まだ……‥まだだ………!!! 完全に………体を、……取り戻すのだ!! ………待っていたのだ、この時をな……………! (不屈な笑みをあげ)バキューム孔をあけよ‥‥!吸い上げて仕舞え!!! | |
フェニットー | Okey−Dokey!! バキューム孔開放レバーをさげますよ。 | |
フラウアー | でも、何でこんな事を。 | |
流離野MASA | もしやと……思ったのだ…………!! 仮に……、(手を支えにやけ)個性が磁石のように……互いに引き付け合うのだとすれば………? その正体こそ『愛の宝』そのものなのだ……。 | |
<SCENE20・MASAの回想> | ||
ME(15)「(尚も続く)」 | ||
SE[鋭き視線] | 影津野MAI | (ハッと気付いて警戒する)……な、何よこの視線……!まるで…、見られているみたい……! |
ナレーター | 嘗て無きほどの異様な視線を感じ取ったMAI。 そう、照準を絞られ睨まれているのだ。インフィニトゥーとそのボスのゲキガスキーにだ。 | |
影津野MAI | (声を強張らせ)か、体が……動かない………!!?!?! | |
カイシンガー | 緊張・を・解します・プログラムNO.───── | |
SE[凍りつき停止] | ナレーター | が、銀河神風カイシンガーはその直後黙ってしまった。無の言霊を受けて機能を凍らされたのだ! |
<SCENE21・ワルスルワクチン内部> | ||
ME(15)「(尚も続く)」 | 流離野MASA | ……これでカイシンガーの機能は衰えた。さぁ、安心してMAIから愛の宝を回収せよ。 |
フェニットー | では、ついにここでトドメポイントなのです。フェニッと! | |
SE[スイッチを押す。ヤマタノオロカブ出現] | ||
SE[頭1が、トドメマンに切り替わる] | トドメマン | (泣いて)く…苦節のこと、31年、なんと悪役に真の勝利が訪れるどころか。 勝てる…今度こそ勝てる!思い出の途に止めて、徒に留めて…留めてください! |
インフィニトゥー | 逆噴射−−−−ーーー!!!!! | |
<SCENE22・MASAの回想> | ||
ME(15)「(尚も続く)」 | 影津野MAI | あ────あっ… |
SE[吸引バキュームの噴射] | ナレーター | ついに本格的にMAIの体に吸引バキュームが当てられた。このままでは、お前の体から『愛の宝』が抜き取られ、ワルスルワクチンは「アニメの大王」として進化してしまうのだ。 踏ん張ってくれ、史大・ナビカセカタマン!! |
影津野MAI | ……ナレーターに‥‥言われるまでも‥…無いわよ…!!。 | |
ドゥーイン | この期に及んで、まだ、そんな台詞をいえるでマンネン! | |
フラウアー | 威力を上げなさいよ、フェニットー! | |
SE[噴射の威力が増す] | ||
<SCENE23・宋明学園学園長室> | ||
ME(16)「絶命の危機」 | ダサイネン | 行け−−踏ん張るのよお。 |
ヤンヤン | …あんたが消えたら、誰が、同人世界を守るのさ! | |
孫田空作 | ……ボク、ボクにはもう母ちゃんを見捨てられない!行くぜ! | |
SE[空作の手を取る] | 三蔵法子 | 変身できない状況で、何しに行くって言うの? |
孫田空作 | 母ちゃんは、ボクが…ボクが守らなくちゃいけないんだ! いやだよ。いやなんだよ、義理の育ての親とは言っても……母ちゃんが死ぬなんてさ。 いや、死ぬ事は無くても……『愛の宝』が抜き取られる時の痛みは……法子ちゃんが一番分かってる事だろ? | |
三蔵法子 | うん……!(頷いて)あたしも、初めは死ぬかと思ったぐらい……。 正直言って、ショック死していてもおかしくは無かったもの。でも、あのお方……いや、あれほど元気な舞ちゃんなら、きっと… | |
猪尾八ッ男 | うん、大丈夫────いや、そうじゃない。 カイシンガーの補佐がない分、奴のあのバキューム光線の残量と舞の体力が問題だ。 | |
<SCENE24・ワルスルワクチンの内部> | ||
ゲキガスキー | くっくっ!この調子だ。このまま愛の宝だけを奪取したら即脱出だ。 | |
フラウアー | どういうことですか。 | |
ゲキガスキー | ……MASAの記憶はな、全て私が握ったままだ。 つまりだ、この回想の狭間そのものを壊す事が出来たら……どうだ? 記憶の中にいる者も全て壊されてしまい……存在も余儀なくされ、消滅するだけだ。 そこで記憶を操る人間の…つまり、私の味方に付いて脱出すれば…… | |
フラウアー | なーるほど。あのいまいましいハビコリカタマンが… | |
ドゥーイン | それいうなら、ナビカセカタマンや。お約束も、ほどほどにせなあかんで。 | |
フェニットー | くそ、このレバー握ったままだとドゥーインに発言権が回っちゃいますね。 でもボクちゃん頑張る。あいつ、まだ体力有るみたいなの…では、最大放射−−−じゃなくて噴射−−−! | |
<SCENE25・MASAの回想> | ||
影津野MAI | ‥‥‥あ……あああーーー……‥‥っ! | |
ME(17)「緊張が走る」 | 学園長たち 一同 | ま、舞ッ!! |
SE[愛の宝が抜き取られる] | ||
SE[神々しき輝きを放つ] | ||
ME(18)「レクイエム」 | カイシンガー | ………………‥‥‥‥・・ |
<SCENE26・カイシンガー内部> | ||
ME(18)「(続いたまま)」 | ||
SE[操作盤を叩く] | 三方洋子 | な…何も……なにも出来なかっ…! |
ナレーター | 洋子には、最期の最期で、手助けができなかった。 魔法操作盤には涙が10リットル溢れ、魔法受けの役割を果たす機械が正常に作動しなかった。 | |
三方洋子 | ごめんね、あの、ゲキガスキーのせいで……。 | |
<SCENE27・回想> | ||
ナレーター | だが、洋子の泣く今、さらなる恐怖が慄こうとしていた。 あの大王が悪の手に渡って復活を遂げようとしていたのだ。 | |
ゲキガスキー | 「21世紀を追う2つ前の年、7つ後に迫り来る月」 「恐れるる物事を追う君主は空より殺を図る」 「それは同時に、別方向から更に追い求める君主の現れ」 「論争こそ幸せを呼ぶかもしれぬ試練」 ───…これは、一度目の復活を遂げる詩であったが、今は違う。 | |
SE[ワルスルワクチンに愛の宝が取り込まれる] | ||
フェニットー | さて、回収しましたよ。 | |
SE[読み上げる毎ワルスルワクチンが進化する] | フラウアー | これでもうひとつの詩を取り上げるわけですね、えーと… 「世界中に薔薇は現れて消え」 ───私たち、薔薇十字会の存在を暗示したものね。 「新たなる行政のもと、血は絶える」 ───勿論、あたしたちのヒーロー打倒が血跡すら残さず行われる事。 「閉ざした口と、その者、真実はなく」 ───言うまでも無いわ。この回想を破壊し尽くしてしまえば。 「それでもその者、絶えず者の血を求める」 ───そしてヒーロー性を私たちが代わりに果たしてしまうのよん、おーーっほっほ! |
ナレーター | そしてその進化した姿は、あの───── | |
SE[降り立つ] | アニメの大王 | 降臨!!……アニメの大王! |
ME(19)「降臨、アニメの大王」 | ||
ゲキガスキー | ……ふふふ、ついに手にしたぞ。最強のサイキックロボット・アニメの大王!! これで我々は無敵だ!コルドーに報告する前に───── | |
SE[MASAの夢を再度ハッキングして書き換える] | ||
ナレーター | なな、なんと『時空間暴発弾』を異次元との入出口に出現させた。 本気で、カイシンガーとMAIを消滅させる気なのだ。 | |
<SCENE28・アニメの大王内部> | ||
フェニットー | あ、福島県はいわき市の門脇つとむ君、ワルスルワクチンはアニメの大王に進化したのよ。 | |
フラウアー | なにを説明してるんだい、退却だ退却ーーー。 | |
ドゥーイン | ともかく退却や−−、爆発の威力に巻き込まれないうちにや。 異次元脱出ボタン、ドゥワッと! | |
SE[ボタンを押す] | ||
<SCENE29・学園長室> | ||
SE[スクリーン内部で爆発が起る] | ||
SE[ディメンジョン的バックドラフト] | ||
ME(20)「絶望的なムード」 | 学園長 | く、くそう……! |
SE[風水スコープに殴りかかる] | ナレーター | 風水スコープの画面は、未放送状態の砂嵐に変わった。 ナビカセカタマンは異次元消滅、MASAもゲキガスキーに乗っ取られ行方不明。 |
孫田空作 | か………、母ちゃん……っっ!(泣き叫ぶ)母ちゃーーん! | |
サーゴ浄 | この世界は、一体どうなるのだろうか─────? | |
ナレーター | その頃、インフィニトゥーはと言うと…… | |
<SCENE30・アニメの大王内部> | ||
フェニットー | やったー、やりましたよう。 | |
ドゥーイン | これで思う存分、暴れまわれるでマンネン! | |
フラウアー | そのまえにさ、乾杯ってことであのメカ出すんだよ、セコビッチ…いや、フェニットー! | |
フェニットー | Okey−Dokey!ではフェニッとな! | |
SE[ヤマタノオロカブ出現] | ||
SE[頭5がシュークエイセスに変化] | ||
ME(21)「シュークヒーロー」 | シュークヒーロー | (♪)ああこの瞬間三悪にぎやか、さわやかほんわか。それが宿命のヒーロー・・・ガチャッ! |
ナレーター | メカの中で祝杯をあげていたのであった。 しかしその時のゲキガスキー…いや、流離野MASAの体を持ったゲキガはメカを別時代へ急降下させたのである。 | |
SE[時代強制移動] | インフィニトゥー | うわあーーあ、何すんですゲキガスキー様。 |
流離野MASA | (冷越に笑う)ふっふ、やつらを倒して祝賀を上げるのも良いがな……!このまま…凡ての時空間を支配化することをな……!!! | |
インフィニトゥー | あ、それ賛成ーー。 | |
フェニットー | そして私は、言わずもがなの最強の科学者として名を残すんですよ。 | |
ドゥーイン | ヘラクレスなんて目じゃない、最強の肉体になるんや! | |
フラウアー | クレオパトラなんか敵わない、絶世の美女ーーー! | |
流離野MASA | ……っふっふ、そしてだ。その行為に水さすものなど……存在しないってことをこれより見せ示してやろう…………─────!!! 行くぞ、インフィニトゥーよ……!! | |
インフィニトゥー | Okey−Dokey! | |
<SCENE31・タツノッコン王国> | ||
ME(22)「破滅色の果てぬ世界」 | 丹平 | あっ、あれはなんだ? |
高田ガン | 鳥か? | |
上成 愛 | 飛行機か? | |
オモッチャマ | ……アニメの大王でコロン! | |
ムテキング | 何故、この世界に来たんだ。 | |
キャシャーン | (気が付いて)…ふ、伏せろーーーー! | |
アニメの大王 | 食らえ「アルティメットクロウ!」 | |
SE[地面が掘り起こされる] | 一同 | うわーーーあ! |
ナレーター | アニメの大王を悪利用し、タツノコ王国に乗り込んでいた。
ああ、どこにいったのか、史大ナビカセカタマン! もはや彼らに勝てる者はいるのかいないのか。 この時間空間は、インフィニトゥーのものになってしまうのか? 誰が、この時空空間を元に戻すのか──────────? |