★諸サインの詳細★
前回、Dr.ローズベルトこと通称ドクロベエより伝令として受けたイタリアントリオの三人の前に通称・ドクロベエのお姿が一瞬現れようとしていた。
そして、実際に声が聞こえてきたような感覚に襲われた。
なにしろ、あのDr.ローズベルトの時空帯電砲、通称『怒りの雷』に恐れをなしているようなもので。
「ほら早く、早くってば、ヒエール!『銀色の印鑑』を探しにいこうよ。」
「そうですね。」
1988年の昭島市ミドリ町の公園近くに、イタリアントリオたちの4人の搭乗する専用タイムマシン『ワンダーブルボート』が到着した。
タイムマシンを停止させ、その地へ降りると、ブライダルネットへ急いで駈けて行く。
その時、一緒になって走りながらもドックリンゴは考えごとをしていた。
「(・・・・ところで、あのお方は何故ゆえに『銀のオーブのかけら』を探しているのだろうか。
『銀のオーブ』が仮に、歴史を操る物だとしたら・・・・私に探させないで自分自身で探したほうが効率がいいのでは・・・?
大体、タイムパトロール隊は動き出さないのであろうか?)」
だが、気が付いたら・・・いや、気がつく前に息が切れていた。
それを見兼ねたイタリアントリオたちは、わざわざ親切にペースを落とし、話し掛けてくる。
「リンゴ様、大丈夫でっか?」
「そんなんでよくも私たちを警察からクビにさせてくれた・・・・」
「ヒエール、ストップ!リンゴ様に追い討ちかけてどーするってのよ。」
「だから、これがホントの非難エール、略して非エール。」
ビュゴゴゴゴオオオォォーーーーー・・・・・・!
駄洒落の吹雪が舞い上がった。あまりに寒すぎて凍ってしまいそうだ。
「さささ、寒いですネン。」
「ガチガチに凍って、しまいそうーーー・・・・!」
ああっ、長野県更埴市の南澤@ くんがあきれてます。
あ、ちなみにまだこの場に載っかりたいって言う人はここまで下さいね。
では、本編に戻りまして――――
「で、ブライダルネットの場所、わかってるのかい?」
「大丈夫です、会長・郡山さんの家 イコール ブライダルネットの本拠地ですから、先ほど電話帳と地図で確認しときました。」
その一方、ブライダルネットの方では、クジテレビの人気アニメ番組の脚本制作会議の真っ最中なのでした。
その名も『つい出るトンメンタン』と言って、1985〜89年のゴールデンタイムを占領するほどの大人気を誇り、視聴率はおよそ30%、
それは新鱈墓栄のギャグ名作『ハイスケール御面組』の後釜だったりもするのです。
それだけの人気があるということは、それだけ作り手もうまいと言うことで、あのタイムボカンシリーズのスタッフ陣が
引き続き制作しているわけであり――――
その中でも構成・脚本を担当しているのが、ここブライダルネットなのです。
そして今日もまた、その担当者による筋書き・脚本の設定をしており――――
「あーー、マチャミくん。そこの表現、もう少し丸くならないの。」
「会長、私は『松井亜巫女』というビジネスネームです。」
「そんなことより、その表現だよ。」
「えっと、どこですか?」
ブライダルネット入りたての松井亜巫女 嬢。
その指導をしているのが、会長こと郡山高造 氏。
あの 慶応大学 卒でタテノオプロに入社して、メキメキ業績を上げた有名なギャグメーカーである。
もちろん、ギャグ以外も書けるってことをあえて強調しておこう。
おやっ!?
その彼の手元の横にきらりと輝くものがあるぞ。一体なんでしょう。
「あーー、ここのところ、『リーダー、それじゃおかしいよ。』じゃなくて、『リーダーおかしすぎる』じゃないのかな。」
「なるほど、こっちの方があってますよね。」
「それからこっち、ト書きの部分だけど・・・・」
郡山高造は、手際よく教えている。
さすが歴代のプロの一人者だけあり、キャラクターの細部の一つ一つにまで気を使っていた。
その直後、郡山氏はきらりと輝く物を持ちあげると、仕上がった原稿にポンと押し当てている。
押し当てたあとにその物を持ち上げると、小山・・・・もとい、郡山ときれいにサインが丸囲みで仕上がっている。
これが、もしかして『銀色の印鑑』なのか?
「さって、これでOK。」
「完成しましたねーー。」
「では、この原稿を清書して、印刷屋に回しますので、宜しく。」
「まだあったの!?」
コマンタレそっくりの松井亜巫女 嬢はびっくりするような声をあげた。
というよりも、今やっと最終原稿が通ったようなもので、あとこれを他の人に読めるように
仕上げなければならないのは当然のことなのだ。
声優全部がアドリブでやるわけではないのであり、このことを考えてまた彼女は気合を入れ直す。
「ふう、疲れたけど、もう一踏ん張りなのよねぇ。」
「何なら手伝ってあげましょうか。」
ここで漸く、ドック・リンゴ率いるイタリアントリオが姿を現した。
そして行き成り、口上アクションを決めた。
「過去も未来もお宝だらけ、タイムトラベルひとっ飛び。」
「西にお宝あるならば、駆けつけ・横取り・ぶっ潰し。」
「東にお宝あるならば、邪ま止めなくてもいいのよと肩たたき。」
「平成の世に蘇る4大悪党・ドックリンゴ率いる」
「イタリアントリオ、ただいま戻らんーーー!!」
ここで1つ、ルージュは気になったことがあった。
というより、これじゃ突っ込みのほうが近いかな??
「・・・・なんで、ドックリンゴさまの方が偉いのよ・・・・!」
「ルージュさまストーーップ!
そげなこと言っちゃあ、またあの『時空帯電砲』を食らっちゃいますよ。」
「そうねんで、口上終わったから早く盗らんとあかんで。」
「ちょっと、オンドレー。面と向かって『盗む』なんて言っちゃあ・・・・」
「というわけで、松井亜巫女 嬢さま。
郡山高造さまに頼んで、『銀色の印鑑』を少しばかり貸していただけるようお願いして頂けないでしょうか。」
さすがはドックリンゴ。
500年後の歴史上に全手配されている大泥棒、しかも前科500犯というだけあり、それなりの実力的な知識があるのだ。
しかも、これはまだ現行で利用されていることも周知の上でなのだ。
そして、ドックリンゴの計算どおりの答えが返されてきた。
「・・・・すみません、誠に申し訳ないのですが、外部の方にはそういうことはできません。お引取りをお願いできますか。」
「そこを何とか、お願あーーい、ぶちゅうぅっ!」
ルージュさん、女性相手に投げキッスしてどうするんです。 ほら、呆れてますよ。
『豚も呆れて、余計ナコトセンワイっ!!』
「ずるっ!」
とこける、ルージュ。
「・・・・渡すわけがないでしょう。だって・・・・」
この時、二人しか出てきてないことに気が付いたドック・リンゴ。
もしやと思っていたことが的中してしまったのだ。
それはつまり、あの『きらめきポリデッカー』が予め変身している姿ではないかという説が持ち上がったのだ。
そのドックリンゴの考えどおり、彼ら二人は、ポケットから『手動携帯変身装置』を取り出すと、
装置の逆作用を利用して変身を解くと同時、ポリデッカーの姿へいくのだった。
その終了する時間を想定して、その2人は口上を始めた。
「過去の都で大評判、不景気風も何のその。」
「心ときめき、頭ひらめき、チカラめきめき。」
ここで、2人ともタイミングよくポリデッカーの姿へきちんと戻った。
かなり計算して想定しておかなければならない登場である。
「きらめきポリデッカー一号、予告にきらめいてただいま参上。よろしくニャン。」
「ついでに、オマタセ評判の2号も・・・・宜しく参上。」
「き・ら・め・きーーー!」
さらにここで、きらめきポリデッカーの2人は輝かしいポーズをとった。
このことに対し、ドックリンゴはともかく、イタリアントリオの3人は解せていなく、二人に不満をぶつけていた。
「・・・なんでなんで、あの子猫ちゃんたちがここにいるのよ。」
「大体どうやって、私たちの居場所がわかったのかしらねーー。僕ちゃんわからなーい。」
「ワテもだマンネン。」
ここでボカーンと説明しちゃおう。
前話で2人が お出かけキャット に お出かけフクブクロ に乗り込んだあと、発信機から発せられる周波数の計算により、明確な時間座標を割り出したのである。
その割り出された時間から、次に彼らのタイムマシンのある空間を推定し、その時間より前にたどり着いて、あとはスパイしてしまえば・・・・その目当てのモノは
自動的に分かるものなのだ。
「・・・な、なんて奴。」
「ホント、なんてお人でしょう。」
「でも、ちょっと待てよ。
ってことは、初めから郡山たちは外出していたってことっちゅーなるミリン。」
「ピンポーン、その通り。」
リップはドックリンゴの質問に明るく答えると、引き続いてしゃべる。
「ブライダルネットの方、クジテレビのほうに総動員してるってことなの。でも・・・・」
「でも?」
「私たち2人もも勝手に人の家に不法侵入しているってことになるのよね。」
「「ビョヨヨンビョヨヨン、ビョヨヨン、ヨォ〜〜ン!」」
「今だ、テレ・スティック!」
シビビンする隙をついて攻撃したリップこと、きらめきポリデッカー1号。
だが、この時2号も間違えて攻撃してしまったのだ。
「パフゥ〜〜〜、あんたまでシビビンしてるからよぉ。」
「行き成り言うからでしょーが。」
などと、ポリデッカーたちが言い争いをしている間に、『銀色の印鑑』を片手に逃げ出すイタリアントリオとドックリンゴ。
だが、ポリデッカーの二人がそれを見逃すはずが・・・・あるんだよなぁ、これが。
「一言多いのよ、ナレーター。」
「毎回毎回オチをつけて・・・・!」
というところで、時間と行数の都合上、今回はここでオチツケにしておきましょう。
次回、ついにメカのギャグ激戦が繰り広げられます。
お楽しみにーーーー!!