諸サインでいいかいん!?

 

前話に引き続いて、ポリデッカーが追いかける。
『銀色の印鑑』を盗んだはずの彼ら4人は自分たちのタイムマシンのあるところに行くはず。
そう考えているうち、思った以上に早く追いついてしまった。
ドックリンゴの体力不足が災いしたのだ。

 

「さあ、追い詰めたわよ。」

「はぁ、はぁ・・・・・・」

「早く、『銀色の印鑑』を返してもらうわよ。」

 

リンゴは息を切らしているなか、リップは全く息を切らせずに普通にしゃべる。
だが、周りにはパフもいない・・・・というか、パフもリップの速さに追いつけなかったのだ。
ドックリンゴ同様、500年後の未来では、機械主流のよほどの体力を使うまでもない産業に切り替わってしまったせいなのか、 どう考えるかは分からないが・・・十中八九、この可能性が高いと言えるだろう。

 

だが、リップはまだ気付いていなかった。
これも、ヒエールのずる賢い作戦なのだ。
その方法とは・・・・・

 

「『銀色の印鑑』なら・・・はぁ・・・こ、これだ。」

「これね。こんなもので何しようって言うの。」

 

ポリデッカー1号と、まだも息を切らしているドックリンゴの会話が続く。

 

「いや、ワテも分からないが・・・・ある人に頼まれていてね・・・・」

「ある人かぁ・・・ボクも、リキッド博士に頼まれていたわけだし・・・・」

「なんてな。」

 

ドックリンゴは話に巻き込みながらもバッと、『銀色の印鑑』はともかく、先にテレスティックを取り上げた。
そしてその頃・・・・パフはまだも、息切れを起こして倒れ、気絶していた。

 

「あっ、テレスティックが。」

「今でマンネン。」

 

テレスティックを取り上げた今、この隙を狙って、コンクリート壁の垂直部に隠れていたイタリアントリオが襲い掛かってきた。
リップはいち早く腕時計型の通信機でパフに連絡を取ろうとするが・・・・まだもパフは気絶しており、連絡はつかなかった。
仕方なく、キラメールの方に連絡をとろうとするが・・・・その寸前にオンドレーに腕をつかまれた。

 

「いやよ、何すんのよ!」

「むーーふっふっふ、もう放せまへんで、嬢ちゃんや。」

「大人しく、大人らしい会話なら話しますよ。」

「放せよ、この中年!変態っっ!!」

 

ポリデッカー1号は、華麗な左足でヒエールにキックをかました!
・・・が、ケリが入る前にオンドレーがもう一方の手で抑えられた。
そして、ヒエールとオンドレーの顔が何やらにやけている。
もしかして・・・・の『視聴者サービス』の展開のようだが、次のルージュの伝言・・もといお言葉で行動に移されたっ!

 

「いいわよ、そんな小娘の小生意気なスーツなんか、剥ぎ取っちゃいなさいっ!」

「ワテは、興味ないがね。」

「じゃあ、ルージュ様も混じって・・・・・」

「「「いっくでぇー、ホイホイサアーーー!」」」

 

ドスバタガタッッ・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!

ルージュさまとヒエールが主に押さえとなり、オンドレーが堂々白昼、公園近くの公衆道路のど真ん中で押し倒す。
そして、リップの着ているスーツや下着類を脱がして・・・ひん剥いていくのだ。
途中、もちろんリップは嫌がって逃げようとする。

 

「やめてぇ、放してぇーーー・・・・・っっ!!」

「ヒエール戦法その1、オナゴは裸状態では何もできまい。  女がお化粧をするのは、肌が裸状態だからなのよーーーほほっ。」

「いやだってばぁ。」

 

リップの嫌がってる様子からしても、はたから見れば、ただのアニメや漫画の煙&曇の立つ取っ組み合いの喧嘩のようにしか見えない。
しかも、三対一で簡単に逃げられる代物ではなく、スーツの場合は悶えれば悶えるほど、器用にスルリスルリと脱げていってしまうのだ。

 

「おらおら、♪脱がせ、脱がせ、泣け喚け♪」

 

と、3人とも合唱しながらも今度は3人が、2人が抑え役&脱がし補助になり、1人が脱がし役になるよう交互交互にかわりがわりやっている。
通信機や靴の類を最初に脱がして遠くに投げ飛ばされている。
とっくに、スーツは剥がされてブロック壁を越えるように投げ捨てられ、下着の上(ブラジャーと呼ばれるもの)をそこら辺におっぽられ、 とうとう最後のパンティー一枚にまで手を伸ばされていた。

 

「これだけは嫌ぁっっ・・・・!」

「わがまま言うんじゃないよーー、お嬢ちゃん。」

「そうそう、『視聴者サービス』ないから禁断症状なのよボクちゃん。」

 

ルージュとヒエールの言葉を前に、脱がされてはならないとばかりに反撃するが・・・興奮しまくっている3人の前には全く効いていなかった。
そしてこの3分後・・・・・・

 

「パンティー奪ったりーやーー!」

「これぞ、生地だけに最後の禁断の地ですね、うふふ。」

「返せ・・・・やあぁぁーーーっ!見ないでぇーーっっ!!」

 

すべて『裸んぼー』にされ、通信機もないリップは、そこら辺を通りがかる通行人、特に男子高校生に じろじろ と見られていた。
何も着るものもない。このまま恥ずかしさのあまり動けずじまいで、イタリアントリオの初勝利にされてしまうのか。
と、その時・・・

 

「おーい、リップ、パフゥ・・・・っ!」

 

と、キラメールの機外放送の声が聞こえた。

 

「やばいですよ、さぁさぁ、早いとこメカに乗り込んで逃げましょう。」

「そうでマンネン。」

「この時代の警察につかまったらやばいよぉーー。」

「さあ、はやくトンズラーするぞ。
 ワンダーブルボートに戻るまでの体力ならもどってるがでね。」

 

ドックリンゴとイタリアントリオは一目散に逃げ出した。
ワンダーブルボートに乗って、『新たなる大変身』をするためだ。

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

「リンゴ様、大丈夫でっか?」

「な、何とか・・・」

 

その一方、お出かけキャットにお出かけフクブクロの方は・・・

 

「りりり、リップ、あ、あんなところで・・・その・・・ま、真っ裸にな、なって・・・!?」

「あのね・・・・パフ・・・・・?」

 

ええーい、今は二人して通信機使って青春してるんじゃないの。

 

「その・・・あいつ等にやられちゃったの。」

「ええ、最後の貞操まで!?」

「・・・・だれもそんなこと言ってないわよっっ!!」

「そっか、よかった・・・・・・!」

「何がよかったの!?」

「い、いやその・・・・とにかくあいつ等は何処までも卑劣な奴だ。行くぞ、リップ!」

「OK!」

 

あらあら、もう元の性格に戻っちゃいました。さすがリップだ。
それとも、パフのリップを思う気持ちに感化されたとか・・・は皆さんの判断で。

 

そしてこちらはワンダーブルボート。

 

「では、『新たなる大変身』第2弾とでも行きましょうか。ポチッとな。」

「今回は、どういうメカだまんねん。」

「『銀の印鑑』に基づいて、金の印鑑を略して『キンカン』・・・・」

「どこが基づいてんのよっこのスカポンタン!」

 

ドグッ!

 

「あでっ!」

 

ルージュの突っ込みと同時、この時間のこの空間が割れ・・・・自然と、Drローズベルト特製の闘争メカの源が届く。
その源をワンダーブルボートに飲み込ませると、あまりに巨大なメカ『キンカン』に変わった。

 

「うわーでかいねえ。さすが、流れ石、リュウセキだねぇーー!」

『豚も、おだてりゃ、木に登る〜〜!』

 

ちょうどその時、トッタルニャンにトッタルブクロウが空を飛んで追いかけてきた。

 

「では、早速攻撃だぁ〜〜あ、ポチッとな。」

「ん?あれは何でマンネン。」

 

オンドレーが驚いたのは無理でもない。
いきなり、『キンカン』の一番前の部分が学校などで見かけるスピーカーの形に変わったのだ。
そして、いきなり「チャイム」の音が鳴り始めたのだ。

 

「「こけーーーいっっ!」」

『わーー、授業の終わりだーー、帰ろかーえろっ!』

「トッタルニャン、逃げ帰るつもりっっ!?」

「トッタルブクロウも逃げ帰るつもりですよ。」

 

いきなりの展開にシドロモドロするポリデッカーの二人。
その上から、高周波によるスーパーハウリングで、両方の機械の動力部が破損したからさぁー大変。

 

「どうしよう、2号」

「そういっても、・・・・わっ、向こうから何かやってきますよ。」

「キンカン!!??」

「臭〜〜〜い!」

 

『キンカン』の中で4人は、あっと驚くところを見ていた。
なんと、字のごとく、蚊の刺されなどに用いるキンカンそのものだ。
メカ先端部のキャップ部をはずして、トッタルブクロウとトッタルニャンに塗りたくっていたのだ。

 

「う・・・・うぷっっ!気持ち悪い動きだよぉ。」

「ワテも気分がおかしくなってきたミリン。」

「もう少しの辛抱ですよ、ルージュさま。  もとはアルコールですから、あとは火をぶっ掛けてやれば向こう2体を倒せます。」

「・・・・でも、肝心なこと忘れてないかい??」

「え?」

 

その『キンカン』の弱点を見破る・・・・ってどころか、アルコールといえば、火は厳禁でしょ。
しかも、逃げ帰ろうとしている方向を向いているわけですから・・・・・。

 

「そういうこと。  いかにアルコール成分をこちらに塗りたくっても、向こうがたいてい余分に持っているはずなんです。」

「さすが、2号。じゃあ、向こうが燃料を使うときにこっちが噴射したら最後・・・・」

 

「よーし、もう一度塗りたくるぞぉーーって、あれ?」

「ニャンコが噴射口から火を放出しながら逃げていきまっせーー・・・・・・ってことは」

「それはつまり、塗りたぐっているのに大して使ってないので、こっちの方が大幅に危険だミリン。」

「はやく、はやくメカとワンダーブルボートを切り離してよ、ヒエールーーー・・・・!」

「よおおし、強制火炎放射・・・・って、意味ないけどおしちゃったっ。」

「びゅぼぼ〜〜〜ん!」

 

『木っ端、ミジンコっっ!!』

 

の掛詞とともに、超爆発を起こした。

ドグアァァーーーン!

バグオォン、チュドドォ〜〜〜ン・・・・・・・!

 

爆発の瞬間に、何とか切り離したイタリアントリオたちの4人であったが、またもや爆風を利用して器用に逃げていった。
またも、巨大な涙の流れる髑髏爆発を発生させ、残していったまま・・・・・・!!!
ああ、何処へ飛ばされたのか、イタリアントリオたちよ。誰か、彼ら4人を知らないか。

 

「それは、ボクたちが聞きたいわよ。」

「『銀色の印鑑』を持っていったままで・・・・・・!」

 

                        ・ ・ ・ ・
・・・・というわけで、印鑑を返してね、いいんかン!?

「「・・・・寒すぎ。」」




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