と き   さ き  ぼう しゃ
時空裂亀亡者

 

今回は、冒頭から説明しよう。
歴史上にばら撒かれた『銀のオーブのかけら』をドクター・ローズベルトより回収するよう命じられた、笑われたイタリアントリオ――――

 

「『我らが』でしょー?」

 

ははっ、失礼。
そう、その元・華の刑事トリオである我らがイタリアントリオ。
その命のまま、集めることになったんだけど、前回、行く先には何と『きらめきマン』改め、『きらめき刑事ポリデッカー』が出現した。
おかげで、奪った後の逃走が大変だったのだが、何とか逃走しきれたのであった。 だが、その瞬間にヒエールは何か思いついたのだ。

 

「ねえねえ、ドックリンゴ様。」

「何がでね?」

「あなた様のタイムマシンが直らないのであれば、いっそ、あいつ等のタイムマシンを奪って行ったらどうなんです?」

「あっそうだでね…え?」

 

ズガッシャアアァーーン!
と、突如と雷を落として現れるドクロベエ…いや、Dr.ローズベルトである。

 

『……それは許さぬベエ。お前ら4人で、初めてイタリアントリオと名乗るのを許すベエ……!』

「あの、ローズベルト様?いつも一体どこから現れるのでっか?」

今回、危うく雷を避け切ったイタリアントリオだったが、不意にオンドレーは楯突く台詞を発してしまったオンドレー。
もちろん、一人で焦ン枯レ〜〜になっていた。

 

『お〜ろっか、ブゥっ!』

 

『私の名は、Dr.ローズベルト。「ドクター」を付けるのを忘れるなベーー!』

「わ、分かりまった…ガクっ!」

「クワバラクワバラ、清原ちゃん♪」

 

『ところで、今回の探し物の前に、銀色の印鑑から《シルバーオーブのかけら》を回収する。』

「はいはい、そうでした。」

 

その様、Dr.ローズベルトの命令に従うイタリアントリオは、早速、銀色の印鑑を手にとって見る。
が、そのカケラらしきものは見当たらなかった。
もちろん、イタリアントリオは何処に引っ付いているのか焦り始めた。
Dr.ローズベルトはその態度に怒り始めていた。

 

『なぬ、見つけてこなかったのかぁ!?』

「あの、ひえ、そ、そういうわけじゃありません・・・・けど・・・・」

「何処についているんですネン!」

「あ、あああ、慌てるんじゃないよぉ。」

「そういうルージュ様が一番慌てているじゃありませんか。」

 

『慌てるコブタは、もらいが少ない・・・・』

 

「コケ〜〜!」

 

慌てるコブタが突如と、賽銭をばら撒きながらイタリアントリオの目の前に現れて言葉を発した。
そのあまりにルージュ一人こけてしまったのだ。

 

「あ、ルージュさま、こけてる場合じゃないネンで!」

「あんたらがコケさせる元を作ったんでしょーが!」

 

ルージュがヒエール、オンドレーと口喧嘩していること数秒間、ドックリンゴはというと、唯一人《シルバーオーブのかけら》を探して見つけてしまっていた。

 

「ほら、これだてね!今そちらへ転送しますガネ!」

『でかしたぞ、リンゴ。では、リンゴだけに教えるべえ。』

 

当然であろう。
3人はついている場所も知らずに奪い取ってくるだけだったのだから、なにも言えはしない。
そのことに腹を立てて、当然の質問を投げかけた。

 

「あの、ドックリンゴさま、どこに《シルバーオーブのかけら》がついてましたんで?」

「そうそう、あたしも聞きたい〜〜ん!」

 

ルージュとヒエールはドックリンゴのほうを向いて、その返答を待っていた。
話についていけないオンドレーはというと、コックピットの後ろの方を向くなり、手の指で「の」の字を書いていた。

 

「簡単なことです。初めは、ワテも印鑑を持った瞬間には気が付かなかったけど、その手で覆い隠しているとこ、つまり、朱肉をつけて押すところ…」

「あ〜〜〜っっ!」

 

 

その頃、ジュテーム所ではまたもリップとパフは呼び出されていた。

 

「どうやら、やつらの今度の狙いはとんでもないものだぞ!」

「いつになったら捕まえられるんだ!」

 

シネマとオデコロン署長に大蟻食い…いや、大目玉を食らっている場面である。
なにしろ、彼らジュテーム署の連中は、ドクロベエが背後についていようなんて気がついていないのだから。
そして今回のドクロベエの正体が、ヤッターマン時のものと同一人物なのかすら、あのドックリンゴでさえ見当がついていないのだ。

 

「オー、マイガッ!」

 

と、あの顔のでか〜〜いメトロも、頭をしきりに抱えている。
今回の狙いは、シャトー君の言う通り、リップの乗るタイムマシン『お出かけフクブクロ』なのである。
コマンタレも、驚く以外に目を白くしている。

 

「ヤップ―、久々の出番〜〜♪‥‥でも、なんで『フクブクロ』を?」

 

久しぶりに登場したジュテーム署の紅一点のコマンタレ。
相変わらずの美人にして、その制服に隠れた豊満な胸…そして綺麗な瞳。
リップも負けてられないってわけで。

 

「それが分かったら苦労しないわよ。」

 

と、リップも言い返すのである。
まさに、女の執念であり、お互い目の前にバチバチッと火花を散らせる。
その前には、パフにはとても入れない。はたまた、どうしたものだろうか。

 

「…そんな事より、奴らあの4人をどうするかですな。」

 

オデコロン署長は、一応これでも、リップの父親。
その威厳を利用して、仲裁に入って話を元に戻すのである。
リップは顔を怒らせるが如く、苛立ちを見せるが、コマンタレは勝ったとばかりにVサインをする。

 

「ぐぬぬぅ〜〜〜!」

「まぁまぁ、リップ、落ち着いてください。私たちには、目的があるんスから。」

「そうよ、そうよね。」

 

何とか落ち着かせたパフの顔には、汗がたれている。
字の如く、タオルを顔にパフパフとあててふき取るのだが。

 

「まったく、女ってのは何でこう争うのかなぁ…。」

「なんか言った?」

「い、いえいえ!」

 

全く、リップにはいつも焦らされるもので、言葉を濁しておかねばならない。

 

 

『それでだ、早速行ってもらいたいのだが、真正面から行った方がいいベエ。』

ドクロベエは、未だトリオに伝令を伝えていた。

「でも、真正面なんて無謀すぎなぁい?」

「そうですよねぇ。でも、ドクロベエ様の事だから、何か考えがあるのかも知れませんよね。」

 

ルージュとヒエールは、ドクロベエ様の意見に対してどうするかで、あまりに少ない脳で考えていた。
言うとおりにすべきかどうか、それとも反抗するべきなのか。
どちらにしろ、毎度の事、やられるのには変わらないのであるが。

 

「そうだデネ。このまま突っ込むか、それとも裏の裏のそのまた裏の…」

「そうなのよ。いい作戦がドクロベエ様が考え付かないんだよ‥‥あっ、」

 

ドックリンゴに対して、ここまで言いかけたつもりが‥‥

 

ズガドガッシャァーーン!

 

と、ドクロベエの頭の上から雷が0.0000005秒間の一瞬で落とされた。
ルージュの骨が見えると言う、お約束のシーンが待ち受けていたが、そのショックでチチがはらりと…

 

「あっ、いやぁ〜〜んん。」

「久々のこんな展開。見逃したらあきまへんデ。」

「そうそう。」

「見るんじゃないよっ!」

 

連鎖反応で、ルージュのとび蹴りがヒエールとオンドレー、さらにまた、ドックリンゴにまで命中した。

 

「なんでワテまで?」

 

痛がるリンゴであったが、思わずルージュは謝ったのである。「ご免なサリン」と。
だが、おかげでその瞬間思いついた事があった。
それは――――

 

 

「そろそろ犯行時刻だぞ!」

 

メトロのいつになく真剣な顔。
それはそうであろう、あの元刑事トリオとまともにご対面するのだから。

 

そのせいか、今までにない厳戒態勢が敷かれていた。
そして、パフはと言うと‥‥

 

「ホラホラ、もっと腰を入れないさいよ!」

 

と、リップの尻に敷かれていた。キラメールも、

 

「なんなんだかナァ。」

 

と、突っ込んでいるのだが‥‥

シャシャッと、今、何やら素早く影が動くような音がした。

 

「誰だ!?」

 

思わずシネマは叫び、斜め上を少しばかり見上げるが、シーンとしていた。

 

「心配ないですよ、あの3馬鹿がそんなに早く動けるわけがありませんよ!」

 

メトロは安心したような、まるで彼らトリオのことをバカにしたような態度で鼻をあしらう。
何しろ、あの三悪の上司をしているだけあり、彼らの事を見通しているようだ。
しかし、きらめきポリデッカーはというと、何かが違った。
どうも気を抜いてはいけないような…そんな感触が頭から離れないのだ。

 

「気を抜かないで下さい。」

「そうね。彼らの事だから、多分とんでもない事をやってくるはずよ。」

 

リップとパフの言葉に、焦りを抜けない上司たち。
だが、先ほどの陰のようなものが何かなど、全く気が付いていなかった。

 

「ホラァ、今のうちに行くよ。」

「ホイホイサー!」

「・・・では、陽動作戦を開始するだガネ。」

「んまぁ、さすがにリンゴ様様ですねぇ。これで相手を動揺させるって手なんでしょ?」

「つまらないこと言うのはおよしっ!」

 

陽動作戦・・・・いったい、先ほどの影とどういうご関係があるのでしょう。
皆さん、次回までに推測してみてね。と言うわけで、以下、次回。




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