<オープニング> | ||
ME(1)「回想」 | ||
SE[ビープ音] |
ナレーター | さあーー、ついに後半クールに突入だ。とはいっても───── 前話で、つまり前半クールの最後になって、突如、史大ナビカセカタマン2号こと流離野MASAが戻ってきた。 そして、その2号には『アニメの大王』という知られざる正体があった。それと同時、ゲキガスキーというインフィニトゥーを操る黒幕もこうして現れた。 そこを、宋明学園の者たちは見届け、『愛の宝』の意味もわかったし、前半クールは終始し…… ……が……一体何が‥‥ |
SE[音が乱れる] | ||
SE[接続が断たれる] | ||
ME(2)「謎の不安」 | ゲキガスキー | ───このまま…終わらせぬぞ……!! (悪魔のような微笑)くっっくっっくっっくっっく…………!!! さあゆけ、お前たち……! |
ME(2)「〜悪魔のブリッジ」 | ???????? | Okey−Dokey!! |
SE[コンピュータが作動する] ME(2)[10秒ほど音が高まっていく] | ||
ME(3)「アイキャッチ」 | 三方洋子 | タイムボカン伝説、ぴえろ魔法史学航・史大ナビカセカタマン第11話、「恋せよ乙女、香月 舞の苦悩」! |
<SCENE1・宋明学園講義室> | ||
ME(4)「日々高らかに」 | 影津野MAI | はい、皆さん。席についてください。 |
ダサイネン | はいはい、ついてますよもう。‥‥‥‥むにゅっ! | |
SE[胸を突っつく] | 三蔵法子 | ───きゃっっ!(軽い悲鳴)‥‥あたしの胸をつついてどーするのよっ! |
ヤンヤン | こぉのスカッッ! | |
SE[二人してドツく] | ||
ダサイネン | (痛がって)だーーっっ、いきなりドツかないでよーもう。 | |
影津野MAI | (クスッと笑う) (心の中で思って)「わぁーー、懐かしいわねこの展開も。」 じゃあ、次は編入生がこのクラスに入ることになってるそうなんだけど‥‥‥ | |
ME(5)「不穏」 | ナレーター | 紹介せねばなるまい、実は───── |
ME(5)[停止‥‥] | ||
影津野MAI | ──ナレーターは引っ込んでてっ ! まったく、紹介しなければならない立場なのはあたしなんだから、もう。 (と、いいつつ摘み上げる) | |
SE[ナレーターの服の裾を摘み上げるなり、掴みあげながら窓に歩み寄る] | ||
ナレーター | わっ、コラ、ちょっと離したまえっっ!(慌てふためく) | |
SE[窓から捨て落とされるナレーター] | サーゴ浄 | うわあ、凄いな。 |
トンメンタン | ナレーターを摘み上げて窓の外に捨てとるネン! | |
猪尾八ッ男 | それより、編入生は? | |
影津野MAI | そうだったわね。 (ドアの方に振向いて)じゃあ、入って自己紹介をしてください。 | |
SE[ドアをあける] SE[入ってきて、構えに入る] |
ナレーター | それでは、落とされて怪我をした私が何とか舞い戻って、ガガーーンと説明しちゃおう。 MAIに呼ばれた三人組が返事をするなり、ドアをあけて入ってきた。そして三人揃って紹介を始めるのだが、(気が付いて)──────────んん?三人組!? |
ME(6)「インフィニトゥー登場」 | ||
フェニットー | 神の残した財産のごとき知識の持ち主、天災をも引き起こすフェニットー! | |
ドゥーイン | 腕を一振り、星をも壊す破壊力自慢のドゥーイン。 | |
フラウアー | その二人を従えるこの悩殺ボディーで世間を惑わすのがあたし、フラウアー様よ。 名付けて、最強三悪─── | |
SE[慌てて席を立つ] | 建前トリオ | い、インフィニトゥーー!? |
孫田空作 | (驚きを前にして)そんなまさか、お前たち倒されたはずじゃあ‥‥‥! | |
ME(7)「悪寒」 | 三蔵法子 | (興奮のあまり、声があがる)一体、何故‥‥‥‥! ? |
トンメンタン | どういうことで、マンネン。 | |
<SCENE2・??????????> | ||
ME(7)[〜続き] SE[キーボード入力] |
ゲキガスキー | (悪魔のような笑み)……ふっふっ、ふふ。侵入成功だ。 次は書き換えるのに‥‥‥やはりなぁ、こんな時限変更型パスワードなど、私には容易いものよ。 これを基に、歴史概念をクラッキングして、風水コンピューターの認識値を探るか‥‥な‥‥‥‥! |
ME(7)[さらに高揚] | ||
SE[凄まじいキーボード弾き] | ナレーター | (絶望を漂わせて)あああ、なんともゲキガスキーは恐ろしい奴だ。 史大ナビカセカタマンにインフィニトゥーのサイキックロボット体を破壊され消滅されたことに気付いていた。 それもだ。その瞬時に、その今までのインフィニトゥーの居場所を突き止めた装置の存在にも気付いてや、逆ハッキングを試みていた─────そして‥‥ |
ゲキガスキー | そうだ‥‥‥我がインフィニトゥーのサイキックボディーを壊しただけ‥‥‥本番はこれからだ‥‥‥‥‥‥!!!! 本人たちも本格的に動き出してくれたようだしなぁ……。(冷静にあざ笑う)くっくっく………! | |
SE[リターンキーを押す] | ||
SE[コンピューターが認識する] | ||
<SCENE3・宋明学園学園長室> | ||
学園長 | 平和じゃな。 さぁて、彼ら二人にも今や任務が無い訳だし、そのうちにでも2人には、式を挙げてもらわないとな。 なにしろ、MAIの方は元は──── | |
SE[ドアをノックする] | カンノ先生 | 失礼します。 |
学園長 | うむ、入りなさい。 | |
SE[ドアを開けて入ってくる] | ||
カンノ先生 | 学園長、先ほど書類を整理したのですが、本日このような生徒が編入されるとの文書がありまして‥‥。 | |
学園長 | 編入生!? はて、このような者が入ることになっていたか……? | |
カンノ先生 | いえ、ですから、こんな書類いつの間に用意されていたのか気づかなくて・・・・ | |
学園長 | ─────妙な話だな。いったい誰が・・・ | |
SE[時を流れてくる] | 流れドキ | And then―――... |
ME(8)「恐れは集まって・・・」 | ||
SE[風水盤が作動する] | カンノ先生 | (気が付く)・・・・はっ、学園長。見てください! |
学園長 | なに、風水コンピューターが! | |
SE[風水針が回転し始める。] | ||
カンノ先生 | (興奮気味)あの3人組は倒したはずじゃ? | |
ナレーター | 誰もが焦りを見せる、この急な展開。いったい何が起きたモノか? 緊張の走る一瞬である。だが、学園長は冷静に考えていたのである。 | |
学園長 | ・・・そういや、あのゲキガスキーとか言うやつが、やつらの黒幕だったようだな。 だとしたら、新たなる刺客と言う可能性があるな。 | |
カンノ先生 | だったら、あの2人に連絡しないと・・・。 | |
学園長 | いや、大丈夫だろう。その書類を見たところ、その3人の生徒から何かしら気づくだろう。 | |
SE[風水針が回り続けている] | ナレーター | そう学園長の言う矢先、風水針は回りつづけ、早さは次第に増していく。 新宿フリッパーズの藤沢有希に機能を強化させてもらったため、そう簡単には外れなくなっているのだが、 その異常な回転振りには・・・と、思ったその瞬間のことだっ! 針が止まったその先に、映像が現れたのだっっ!! |
カンノ先生 | あっ、あれはっ! | |
SE[映像化される] | ||
<SCENE4・映像の中≪道端≫> | ||
SE[4人とも駆け足] | ||
速水ペルシャ | 待ってですのぉーーー! | |
花園ユーミ | 舞、マジックで消しちゃってよぉー――っ。 | |
香月 舞 | 無理よぉ。種のないマジックなんかー。 | |
SE[物体Xの超咆哮] | ||
ナレーター | その映像の中を何故か走り回るナレーターですが、取り敢えず説明しちゃおう。 この映像の年代は不明である。創作者の推定では'87とありますが、どうやら・・・ | |
森沢 優 | そんなこと言ってる場合じゃないよぉ。あの怪物を何とかしてよぉーー。 | |
香月 舞 | あっ、そこ・・・そこの建物に入るわよ。 | |
優、ペルシャ&ユーミ | オッケー! | |
<SCENE5・映像の中≪教会の中≫> | ||
ME(9)「悪魔来たりて」 | 花園ユーミ | いややあ・・・! |
森沢 優 | 誰よぉ、教会の中なら安全って言ったの・・・ | |
香月 舞 | だってぇーー、吸血鬼なら十字架に弱いはずでしょぉーー! | |
4人とも | きゃああああ・・・・・!!!! | |
ナレーター | 突然のことで何がなんだかわからないので説明しよう。 この展開かすると、どうやら、'87公開のビデオ「ぴえろ魔女っ子CLUB A空間からの物体X」のようである。 しかもしかも、これは撮影のものが現実界で起きた、その後のお話のようである。果てさて・・・ | |
フラウアー | (含み笑い)ふふふふふ・・・・・ | |
速水ペルシャ | あっ、あなた達は───── | |
香月 舞 | (驚いて)そ、そんなぁ・・・・ | |
フェニットー | やりましたねえ、フラウアー様。こいつら4人を夢の中に引き込むなんて私の技、どんなものでっしゃろ? | |
フラウアー | そだねえ、このまま物体Xに食べさせちゃいましょうか。 ゲキガスキー様ぁ、やっちゃってぇーー・・・・・・。 | |
<SCENE6・??????????> | ||
ナレーター | そう、そうなのである。 ハッキング技術を利用して、夢と架空を現実へと紡ぎ出したのだ。 そして彼らも───── | |
ゲキガスキー | その通りさ。今のインフィニトゥーは、今までのサイキックロボットとは違う本人たちさ。 さぁ、このまま奴等を葬ってしまうのだ、つまりそう書き換えるように─────と。 | |
SE[キーボードを的確にたたく] | ||
<SCENE7・宋明学園講義室> | ||
ME(10)「不穏な空気」 | ナレーター | その頃、宋明学園では・・・講義を始めている。 時刻はというと、お昼寝タイムでもないにも関わらず、机に顔を横にして数人ばかり寝ていた。 |
SE[頬を軽く叩いてやる] | ||
流離野MASA | おいおい、起きろ!授業中なんだぞ・・・ | |
香月 舞 | (眠たそうに)むにゃ… | |
ナレーター | MASAが起こしているにもかかわらず、中々目を覚ましそうにない。 それによく見ると……、 | |
流離野MASA | ペルシャ、ユーミ、優まで!何を考えているんだ一体! | |
三蔵法子 | きっと、今までの戦いで疲れてるんじゃないかしら。 | |
猪尾八ッ男 | そうだよ、MASA達の戦いを補佐していたから・・・ | |
流離野MASA | (溜息ついて)だからって、教室で寝ることはないと思うが・・・・。 | |
ダサイネン | そうよ。内容が難しくてボクちゃん寝たくなるぐらいなのに、頑張って起きてんだぞもう。 | |
トンメンタン | せやせや!ほら優、目を覚まさな……(優の体を揺すぶる) | |
ME(10)「〜(スローモーに変化)」 | ナレーター | にも関わらず、まったく起きようとしない。というより・・・・ |
サーゴ浄 | これほど揺す振ってんのに、何で起きないんだ? | |
孫田空作 | うーーん……。何かおかしいぞ。 | |
SE[時を流れてくる] | 流れドキ | And then──── |
SE[ドアが勢いよく開く] | ||
学園長 | (慌てて)MASAくん、それに建前トリオたちも一斉に来てくれ! | |
流離野MASA | な、何かあったんですか? | |
学園長 | うむ!(頷いて) | |
SE[シーンが切り替わる] | ||
<SCENE8・学園長室> | ||
ME(11)「予感的中」 | 流離野MASA | (愕然として)…な、なんだこれは? |
SE[映像のノイズ] | トンメンタン | ほ、ホログラム!? |
ダサイネン | (突っ込む)違うわよ、それを言うなら、これは奴らの居場所のはず。 | |
孫田空作 | でも、奴らは倒したはずなんだろ? | |
学園長 | MASAくん、君は前回まであのインフィニトゥーのアジトを探ってきたんだろ? 君になら、その理由が───── | |
ナレーター | さぁーー、恐るべき展開になってきたぞ。インフィニトゥーを破ったはずなのに、こんな怪現象が起ころうとは、一体どういうことなのか? 映像を見ながらのMASAの意見はと言うと───…… | |
流離野MASA | こんな映像、私にもわかりません。ただ、あり得るとすれば、そのボスであったゲキガスキーの仕業……。 | |
三蔵法子 | (気が付いて)いや、ちょっと待って!この映像に写されているのは、丁度、居眠りしたまま起きない4人じゃないの──── | |
影津野MAI | そして、転向してきたあの3人は? | |
サーゴ浄 | やばい、奴らの狙いはもしかして───── | |
猪尾八ッ男 | 早く教室へ戻るんだ。 | |
ナレーター | というわけで、彼らは教室へ急がねばならなかった。が、これこそゲキガスキーの思惑だったとは予想もしなかった───── | |
<SCENE9・宋明学園祭事館> | ||
ゲキガスキー | ふふふふ、陽動作戦開始だな。この隙に、今度はタイムクルーザーを改良し‥‥ | |
香月 舞 | (眠そうによろけつつ)ま……待って! | |
ゲキガスキー | …お、お前まさか…舞…そんな馬鹿な、お前目が覚めたのかッッ! | |
香月 舞 | (眠気でフラフラになって)待っ…て……!あたしの…あたし…の‥将を‥‥返してッッ! | |
SE[魔法波を手の上に生み出す] |
ゲキガスキー | ほう、ならば…このクルーザーの前に、お前をこの世から「夢世界」へ消してやるか。どら… (睡眠魔法波を、手に発動させる) |
ナレーター | (見届けて)ああ、危ないぞ舞!舞が、再び、'87公開のビデオ「ぴえろ魔女っ子CLUB A空間からの物体X」の中へ封じ込められようとしている…が… | |
香月 舞 | (怒って)もう…あのときの惨劇は繰り返したく無いっ!プリット! | |
SE[ハートブロムが出現] | ||
ゲキガスキー | (焦って)まさかっ!? | |
<SCENE10・映像の中≪教会の中≫> | ||
SE[駆けて近づいて来る] | 結城 将 | 舞ーーッッ!大丈夫かっっ! |
香月 舞 | 将ッッ! | |
ナレーター | 「まさか」が、そのまさかであった。物体Xの前に、怯えていた4人・舞、ペルシャ、ユーミ、優を助けに来た将の姿があった。 言うまでも無く、「魔法のスターマジカルエミ」で、舞が憧れていた理想の人こそ、この結城 将なのだ。 | |
ME(13)「形勢、立て直し!」 | ||
森沢 優 | (一息、飲み込んで)た、たすかった〜〜! | |
速水ペルシャ | ですの〜〜! | |
SE[物体Xの噛み付き攻撃] | 結城 将 | さあ、早く逃げ……(物体Xに噛まれる)うがああ! |
香月 舞 | (驚きの悲鳴)し、将っっ! | |
ME(13)「〜 再び形勢悪化」 | 結城 将 | (腕から血を流して、苦しみつつ)く、くそおお……あ゙っ! |
SE[血が教会の絨毯に滴る] | 速水ペルシャ | …げ |
森沢 優 | …腕から… | |
花園ユーミ | …大量の出血…… | |
SE[インフィニトゥー出現] | ||
フラウアー | ほーーっほっほっほっほ! | |
フェニットー | まさか、あの将が庇うなんて計算外だったわよ……。 | |
ドゥーイン | (高笑いして)そうやそうや、けどな、結局そいつが来てもやられることに変わりは無いねん。 なにせな、ゲキガスキー様の作戦で、この夢を三たび、現実界の4人に送り込んでんでいるンや。 これも正夢の一つってとこや。 | |
<SCENE11・宋明学園学園長室> | ||
学園長 | なんじゃとお? | |
カンノ先生 | もしかしてあの者たちが編入してきたのは、催眠術をかけてこの回想を舞たちに見せる為にだったのね。 | |
ナレーター | そうである。奴ら・インフィニトゥーが10話までサイキックロボットを使っていたという理由は、MASAたちを潰す為であった。 そして今、ついに一つの弱点の候補にあったものを見つけて、ゲキガスキーたちが本腰を入れて逆ハッキングなどを試みて挑戦してきたのだ。 その瞬間────…… | |
SE[勢いよくドアを開けて] | 三蔵法子 | (焦って)先生、教室に舞の姿が見当たりません。 |
サーゴ浄 | (慌てて)教室に戻ったら、既にいませんでした。 | |
落ち毀れトリオ | (指を指して)……え?前見て、前、前! | |
ナレーター | ヤンヤンたちが指を指したその先の映像には……なんと、今より若い頃のMASAが映っていた。これは驚いた。 | |
<SCENE12・映像の中≪教会の中≫> | ||
ME(14)「颯爽登場」 | 流離野MASA | (ニマリと自信の笑みで)っはっはっはっは。 |
ドゥーイン | 誰だ、お前は! | |
ME(14)「(最高潮に)」 | 流離野MASA | 流離いのM・A・S・A、「流離野マサ」と申します。 やい、悪魔どもよ、何故この映像へ侵入してきた!舞は、もはや俺のものだ! |
フェニットー | なんなのよ、アンタ行き成り現れてさ。しかも、俺のモノだなんていっちゃってさ。そうですよね、フラウアー様。 | |
フラウアー | (頷いて)うんうん、そうだよぉ。物体X、あんな奴やっちゃいなさい! | |
ナレーター | その言葉を前に、ゲキガスキーが物体Xをコンピューターのキーボード経由で夢の中へ操り始めた。 そして今、指示に従うように物体Xが動き始めたのだ。 | |
結城 将 | (ふらりと起き上がって)誰なんだ…あいつは… | |
香月 舞 | あっ、起き上がっちゃ駄目…… | |
結城 将 | …ああぁ!(痛みで苦しむ) | |
花園ユーミ | (冷酷な目で)でも、味方のようね。 | |
流離野MASA | ほう、来る気か。では、私も行くか… | |
魔女ッ子CLUB | (驚いて)え? | |
ME(15)「変身の前触」 | 流離野MASA | …マジカルアンカー・ワーズオン! |
ME(15)「〜ナビカセ変身」 SE[眩い光に包まれていく] | ||
ドゥーイン | (目を遮って)どぅええ、眩しいでええー! | |
フェニットー | あっ、あの姿は……! | |
SE[変身完了] | ナレーター | 漸く目が正常に戻った頃には、MASAの姿があったところに驚きの声をあげた。 |
ME(16)「ナビカセカタマンのテーマ」 | ナビカセカタマン | ……悪病吹くか、敵傾くのか、味方一千・悪も一千・以下にせぬ! 魔法を背の帆に受け同人界を颯爽と渡り歩く、史大ナビカセカタマン、ここへ降りたとうか! |
ME(16)「〜ポーズが決まる」 | ||
フェニットー | だああ、夢世界にまで侵入して来たのお? | |
フラウアー | ナビカセカタマンめーー…! | |
結城 将 | 史大…ナビカセカタマン…!まさか、君が噂に聞く異次元の……! | |
香月 舞 | し、将っ! | |
ナレーター | この言葉を前に、結城 将の頭の中で意識が途絶えていった……その後、将は病院に運ばれるのだが……。 | |
ナビカセカタマン | いっけねえなあ、同人界を操ろうとするだなんて。今までもサンザやってきたろうによぉ…。 | |
SE[迫り来る] | 物体X | (大咆哮)どっぐぉぉおおおーーー! |
ナビカセカタマン | そうそう焦るなって。今カタをつけてやろうからなぁ! | |
ドゥーイン | (大笑いして)がははは無駄無駄、行数の無駄。あの当時のナビカセカタマン、つまり過去の夢の中の人間を今ここで潰してしまえば現実界もつぶれるも同然や。 | |
フェニットー | そうよ。今までと違って、この巨漢は相当狡賢くなっていてね、この計画も元はドゥーインが考え出したの。 というわけで、覚悟しろナビカセカタマン!。 | |
<SCENE13・宋明学園、学園長室> | ||
流離野MASA | (ニカリと自信の笑みで)…だけどね、そう行くかなぁー………!!! | |
三方洋子 | そうよね。幾ら、当時の人間でも弱いとは限らないわねえ……。 | |
三蔵法子 | あれ?ヒロコいたの? | |
三方洋子 | あたしなら、今まで大学病院に定期検診に行ってて、今来たばかりよ。 それでさっきから見てたけど、今までの奴らはサイキックロボットだったってことが理解できたわ。 | |
影津野MAI | なんですって? | |
学園長 | 誠かね、それは?それならこの学園に入ってこれたのもなんとなくは理解できるが……。 それよりも即、舞くんを探してくるのだ! | |
MASAたち3人 | オッキドッキーー! | |
ME(17)「発進準備の予感」 | ナレーター | こうしてMASAとMAI、洋子は魔力の源による方向へ探しに行く事になるが‥‥ |
流離野MASA | ア・オ・ヤラ・マ・キデ・シャ・グ……ル! | |
SE[姿を消しつつ瞬間移動開始] | ||
SE[瞬間移動] | ||
<SCENE14・祭事館からタイムクルーザーへの渡り廊下> | ||
SE[移動完了] | 流離野MASA | よーし、三方君魔法の帆に魔法を‥‥ん!? |
SE[背中から地へ3人とも体が落ちていく] | ||
三方洋子 | (背中を地に打ち付ける)…痛いっ! | |
影津野MAI | (背中を抑えながら)‥あ、いだだ…。MASA、何処に移動してんの… (驚いた顔をして)よ!? | |
流離野MASA | …舞?なんで舞がここに‥‥ | |
ME(18)「我らがイタダキマン」 | 香月 舞 | (体をグラグラ揺らしながら)…やめてよ‥‥。これ以上、夢…を… (強気で)あたし……に………悪夢を……みせようと……しな‥いで……!!! |
ゲキガスキー | ほう、かなりの精神力だなぁ……。この余の魔法力にそこまで耐えられるとは…。 | |
MASA & MAI | …ゲキガスキー−!! | |
ナレーター | 彼ら、史大ナビカセカタマンの移動した場所は、タイムクルーザーの手前であった。 しかも、どうやらその眼前で舞が戦っていようとは予想もしなかったのである。しかも──── | |
MAI | もしかして……あなたがあたし達の魔法の邪魔をしたって言うの!? | |
MASA | (ゲキガスキーを見つめて)モバイルのタイプを打ちながら、舞に魔法力でもって眠らせて悪夢を再び見せようとして────その上から、俺たちの魔法を弾き返すだと? | |
ゲキガスキー | ……そうだといえばどうなるのかな? この状況下でこの余を倒してでもこの先に行かねばととでも言うのかなぁ…………? | |
SE[ゲキガスキーの眼が輝かしく迫力を言わせる] | ||
ナレーター | ゲキガスキーは凄まじい睨みをMASAたちにぶつけようとした。その寸での所を、MAIは勘付いて交わしていた。 | |
影津野MAI | (言い聞かせるように)ねえ、落ち着くのよ、舞。落ち着いて───── | |
香月 舞 | (くたばりながら)落ちついて……なんか…、いら…れない……わよ………! (尚も興奮して)あたしの…将は……あい‥つ‥に…殺され…たのと…同じような……ものなん…だから……!もう…あん……なのは…!やだ……! | |
SE[舞の魔法力が暴発する] | ||
影津野MAI | (舞の暴発した魔力の前に吹き飛ぶ)きゃああっ! | |
SE[MAIをがっしりと受け止めて] | 三方洋子 | (息を一発入れて辛うじて受け止める)だあ! (勘付いて)でも、あの頃のMAIとヒケをとってないわね。 |
<SCENE15・映像の中≪教会の中≫> | ||
ナレーター | その頃、宋明学園の学園長室に未だもって流されている映像はと言うと───── | |
ME(18)「〜(前シーンに引き続き)」 | ナビカセカタマン | (怒って)だがなぁ。ゲキガスキーはともかく、その程度のレベルで挑もうとはな! |
ドゥーイン | …つ、強すぎまっせ。だがなアンサン、人質をとられた程度で動けなくなるのは往年のヒーローと変わらんと思うがなぁ。 | |
フラウアー | ほほほほ、そうそう。物体X、ガシガシと痛めつけてやりなさい。 | |
物体X | ぐっががぁーー!(突進して体当たりを構わす) | |
SE[軽く体を打ち付ける] | ナビカセカタマン | ははっっ!来なさいっっ! |
フェニットー | まあー、かなりしぶといわねええ。お次は尻尾攻撃頼むわよ、ゲキガスキー様。 少し弱ったところでね、隙を見て私たちがオリジナル怪獣メカ・インヴィジヴォルダーを使って倒してやるの♪ | |
フラウアー | というわけでね、物体X、もっとギュウギュウに4人を締め付けてしまいなさいねえ♪ | |
ドゥーイン | これも、ワテがメカのネーミングをしたんですよーー。 | |
フェニットー | ところで、ちょいとドゥーイン。台詞が前後ずれてるわよー。 | |
速水ペルシャ | (物体Xに3本腕で、腕を絡まれて)……助けてですのーー!ナビカセカタマン‥‥! | |
花園ユーミ | (物体Xの2本の腕に足膝を掴まれて)生気吸われたくないよおー! | |
森沢 優 | (腰元を物体Xの2本の腕にグルグル巻きにされたまま)お願いーーー、俊夫ーーー! | |
ナビカセカタマン | (鼻をくくって)へえ、これはうかつに反撃できないなぁ……。どうしてくれようか……… | |
ME(19)「絶好調の戦い」 | ナレーター | 実はこの頃のナビカセカタマンと今とははさほどの違いがなく、変幻技でもって楽々片付けてきたのだが……。 この頃の記憶自体を、現世のゲキガスキーに操られていようとは知らなかった。 絶体絶命のピンチに陥ろう事は必死だ!!! |
フェニットー | そうなのよ。しかも、さしもの現世のナビカセカタマンであろうと、現世のゲキガスキーが同時に抑えこんでいるはずなの。 | |
ドゥーイン | っふっふふ、不思議ね♪ | |
フラウアー | じゃここで、オリジナルメカ出しちゃいなさいよ。もう残り行数が少ないしねえ。 | |
フェニットー | おおっし、インヴィジヴォルダー出動よ、フェニフェニフェニ、フェニッとな。 | |
SE[リモコンのキーを打ち込む] | ナレーター | フェニットーは懐からリモコンを取り出すと、ナンバー式のキーを4回ほど打ち込んでいった。 だが、ここで誤算が起こった。 それは、この隙にドゥーインとフラウアーは慢心してフェニットーの方を向いて、ゲキガスキーの指示を出すのを放っていた。 そして、その最中───── |
<SCENE16・祭事館からタイムクルーザーへの渡り廊下> | ||
ゲキガスキー | ……!? おかしいな、奴らからの連絡が途絶えたか。さては個人でメカを創っているところを見たが……。 | |
香月 舞 | 今よ…、将‥の…恨み‥‥を…… | |
三方洋子 | 私も加担するわ……。 | |
SE[肩をがっしりと掴む] | 影津野MAI | (洋子の肩を掴んで)待って!ここは、舞一人にやらせるの。 |
ME(20)「闘いの試練」 | 流離野MASA | 同感だ。俺たちは見守るだけだ。それに───── …… 映像の方は暫くで片付いているはずだ。 |
<SCENE17・映像の中≪教会の中≫> | ||
SE[教会の屋根を壊して、飛来] | ||
ME(21)「脅威の三悪メカ」 | ||
フェニットー | 来ました!オリジナルメカ・インヴィジヴォルダー! 早速、搭乗と行きましょうか。フェニッとな! | |
SE[搭乗ビーム] | ナレーター | さあー、彼らはついにメカに乗り込みました。なにしろこのメカは‥‥ |
<SCENE18・インヴィジヴォルダーのコックピット> | ||
ドゥーイン | そう、「透明で見えない」という意味の Invisible と、「電圧」という意味の Volt に「電光石火ヴォルター」を引っ掛けたネタなんでがや。 | |
フラウアー | タツノコプロの方ぁ、怒っちゃやあよん♪ | |
フェニットー | あっ、ボクちゃんの台詞をとったぁ。もう〜〜…… | |
SE[ヤマタノオロカブがコックピットに出現] | ||
SE[3つ目の頭がオ世話ブタに変化] | ||
オ世話ブタ | 余計ナコト〜〜〜センワ〜〜〜! | |
SE[コケる] | ドゥーイン | コケッ!ただでさえ行数少ないちゅーに…… |
SE[頭7がマツノオトシゴへ変化] | マツノオトシゴ | ソノ後ニ落トスノ待チィーヤ、勝手ニトドメポイント移行…… |
SE[頭1がトドメマンに変化] | トドメマン | トドメを刺すモノどもめ!略して 『トドモノメ』 ⇒ 『トどめ』 なんちって! 行けフェニットー! |
フェニットー | というわけで、早速の攻撃でトドメーーーー!フェニッとぉな! | |
SE[スイッチを力強く押す] | ||
<SCENE19・映像の中≪教会の中≫> | ||
ME(22)「三悪・破滅への序曲」 | ||
ナレーター | さぁ、今まさにインヴィジヴォルダーの攻撃が発射する瞬間である。若き日のナビカセカタマンはこれからどうするのであろうか。 予想通り、物体Xの前を過ぎて、三悪のメカを目掛けて疾りつけて打ち落とすしかないのであるが……この頃は未だロクに武器をいないのである。 | |
ナビカセカタマン | ここは言うまでもなく、俺の…ハウリングオーラだ! | |
フェニットー | 行けえぇ、「超電圧プレッシャースパーク」!! | |
SE[オーラと電力がスパークしあう] | ナレーター | なんと、トドメ技だった「電圧プレッシャー」が、ハウリングオーラと激突しあった。これはまた激しい激突振りである。 しかし…… |
<SCENE20・インヴィジヴォルダー内のコックピット> | ||
ME(22)「〜(続いている)」 | ドゥーイン | ちょっと待つネン!なんでナビカセカタマンがあんなところに立って、スパークしあう方向に向かうンや? |
フェニットー | しかも、アイツの体はメカ同様の金属質ボディーなのに、吸い付いていったわよ。 | |
ナレーター | そりゃそうである。彼は元々、カラオケ界の守り神・絶唱カラオケマン。 あいにく、歌にも何度も酔い痺れるあまり、電撃質を生み出せる人間でもあることは明白なのだ。 | |
フラウアー | じゃ、じゃあ、スパークしあったところが、金属的な部分に反応して──── | |
フェニットー | げ、その上から蹴りを構して来ようとしてますよぉ。誰よ、弱らした上から攻撃すれば勝てるって言ったの─── | |
ドゥーイン | (照れくさそうに笑って)ワイでんねん……! | |
<SCENE21・映像の中≪教会の中≫> | ||
ナビカセカタマン | カラオケ・キーーック!! (飛び上がり二枚蹴りを喰らわしていく) | |
SE[強力な二発を浴びせる] | ナレーター | という具合に、地を蹴って飛び上がるや、スパークした電力を足へ受けるのだ。そしてインヴィジヴォルダー目掛けてその全電力を帯びた片足で膝脛辺りを食らわし、さらに、その足を瞬間に突き出して裏に回すや、インヴィジヴォルダーの後頭部へ叩き込んだのである。 |
<SCENE22・宋明学園学園長室> | ||
SE[映像の中で大爆発して、髑髏雲発生] | ||
学園長 | (汗だく)…さ、流石だな。 | |
カンノ先生 | 強すぎですわね。 | |
サーゴ浄 | けど…肝心の舞が見つからないんだよなあ。この映像と関係があるのは分かるけど──── | |
<SCENE23・祭事館からタイムクルーザーへの渡り廊下> | ||
香月 舞 | (目を覚まして)…はっ! | |
ゲキガスキー | くそぉ、奴らめ失敗しやがったか。久々の『罪と罰コーナー』でいたぶってやるか。 | |
ME(23)「大反撃!?」 | 影津野MAI | そうはいかないのよ。 |
流離野MASA | その前にお前を処罰────なッ!? | |
SE[インフィニトゥーが突如眼前に降って現れる] | ||
SE[三悪が地面に激突する] | インフィニトゥー | うわぁーーあ!(地面に激突) |
フラウアー | (痛がって)あ、あいだだ……! | |
フェニットー | (上に覆い嵩張るドゥーインを避けようとして)ちょっと重いわよ、ドゥーイン。 | |
ドゥーイン | (体をよろけさせながら)すまないネン…… | |
ゲキガスキー | …い、今だっ! (舞を取り押さえようと魔法を浴びせる) | |
ME(24)「不安の激増」 | 香月 舞 | う‥うぐっ‥‥!?(口を紡いでいる隙に、縄で縛られていく) |
SE[縄が突如現れて舞を縛り上げられていく] | ナレーター | な、なんと恐るべき事態だ。ゲキガスキーはインフィニトゥーが降るタイミングまでも計算に入れ、舞をついに人質にとることに成功した。 初めからこれを狙っていたのだろうか。なんとも云えぬこの展開……! |
影津野MAI | (愕然と)しまった……! | |
香月 舞 | (悲痛の声で)…し、将‥‥仇を討てなくて…ゴメン……。 | |
流離野MASA | (拳を握り締めて)ぐ…くそおぉ……! | |
ME(24)「〜絶望の始まり」 |